2012年4月5日木曜日

春の嵐が運ぶもの

宮沢賢治の「風の又三郎」では三郎は9月にドッドッという風と共にやってくる。9月だから台風だったのだろう。先日のものすごい嵐は春一番だったのかな。季節の変わり目にはなぜか風が吹く。「疾風・怒涛」はドイツ語で「シュトルム・ウント・ドランク」と言って1700年代後半に起きた文学の革新運動を表している。その代表作は「若きウェルテルの悩み」。作者ゲーテは主人公を最後に自殺させているが、自殺は「神」が厳重に禁じていたものであり、ウェルテルを自殺させたのはゲーテにとって当時の「社会的規範」への果敢な挑戦だった。
今、私たちが直面している大問題ー「東京電力福島原発事故」への様々な対応をみているとこの「社会的規範」というものがいかに人々の精神を縛り、拘束しているものか、実感する。
同調性・協調性・社会性 という日常時には美徳として捉えられるあり方が実は一方で落とし穴となっている。
戦争をしなければいけない、戦争は勝ち続けていると政府が言えば、戦争に反対するのは非国民と普通の人たちが一体となって戦争を遂行した。
原発は安全。事故は起きないから想定しない。経済成長に原発は不可欠、CO2も出さないからクリーン。日本は資源がないからこれしかない。日本人は国・電力会社・メディアがいう事をそのまま受け入れて原発を容認してきた。
そして、今。放出された大量の放射性物質に関して、国や電力会社、メディアが言っていることを信用し、違う意見を言う人々を弾圧し、疎外しようとしている。また、落とし穴にはまるのか?また同じ事を繰り返すのか?

その根底にあるものをはっきりと捕まえたいと思う。
そう思いながらも、なかなかもどかしい。
新作「内部被ばくを生き抜く」は一旦完成したのだが修正の必要があって、今日、ナレーションの部分的な取り直しをした。
事態は刻々と変わるけど、まってはいられない。今月28日より公開だ!



4/28〜渋谷UPLINK『内部被ばくを生き抜く』新作DVD発売記念上映
詳細 http://www.uplink.co.jp/factory/log/004405.php

3 件のコメント:

  1. 新作「内部被ばくを生き抜く」:
    「事態は刻々と変わるけど、まってはいられない。今月28日より公開だ!」 : 8888! このままでは 大飯原発再稼動は時間の問題、再稼動すれば そのほかの原発再稼動も次々と続く! 今年6月の上関原発の建設もなし崩し的にやられる。これからを生きていく上で、大気、土壌、食品、水その他から取り込まれる放射能と内部被ばくについて一人ひとりが正しく知ることは不可欠と思う。

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  2. はじめまして、春の嵐とおっしゃるので、放射線量との関係を仰っているのかとおもい訪ねさせて頂きました。

    http://www.pref.fukushima.jp/j/koukabutsu2012-0301-0401.pdf
    福島県 定時降下物モニタリング結果  福島市方木田(福島県原子力センター福島支所)【過去データ】24.3.1~24.4.1

    http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=36&prec_ch=%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9C%8C&block_no=47595&block_ch=%E7%A6%8F%E5%B3%B6&year=2012&month=03&day=21&view=p1
    気象庁 過去の気象データ 福島市 2012年3月 ( ※ 21日と31日の平均風速に注目です )

    この相関関係がまったく報道されていないのが不思議です。

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  3. 「内部被ばくを生き抜く」:待ちに待って、4/30観にいきました。

    内部被ばくについて、正しく知り、正しく恐れ、自分たちの身は自分たちで守らねばならないと思っていましたが、案の定放射能汚染の広がりはメディアの報道以上の内容でした。
     
    わが家は福島原発廃墟から220kmの埼玉県にありますが、庭には町の管理基準値を超えたホットスポットもあります。
    家の中はどこもかしこも自然然界の目安以上の放射線量です。寝床の周りも。
    放射の汚染は 5月の風にも当然あります。
    土、海・山・川、水、生物のすべてそして食物連鎖・・・
    ドップリと放射能汚染の環境に私達は置かれてしまいました。

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