2012年4月8日日曜日

全国映連監督賞をいただきました。

今日は映画鑑賞団体全国連絡会議 より「ミツバチの羽音と地球の回転」で 監督賞をいただきました。昨年は特別賞をいただいたので、二年連続でいただくというありがたいことになりました。全国の鑑賞会で投票した結果で決まるので映画を愛する全国の皆様のおかげです。ありがとうございました!
今回、もう1人の監督賞は新藤兼人監督。日本、いや世界最高齢の現役監督。その最後の作品という「一枚のはがき」で受賞されました。
こんな偉大な監督と同じ賞をいただくなんて、なんておこがましい!
新藤監督は今月22日で100歳におなりになるとか。これまでに代表作だけでも優に50本を超え、脚本も数多、しかも傑作・名作が目白押しです。
新藤監督ご自身の人生が映画のようであり、実際ご自分で映画にしていらっしゃいます。「愛妻物語」とか。著作も多くて「シナリオ人生」とか、「老人読書日記」とか読みたくなります。
私は実は「一枚のはがき」はまだ未見なんですが、「第五福竜丸」のニュープリントを2年ほど前に観ました。太平洋上の水爆実験で死の灰を浴びた乗組員、そしてまぐろ・・。今、東京電力福島原発によって撒き散らされた放射性物質は無色透明でにおいもなく全く見えない。しかし、「第五福竜丸」の映画では放射能は可視化されていました。「死の灰」がふりそそぐシーンは必見です。「第五福竜丸」に先立って監督した「原爆の子」はそのリアリティ故にアメリカからカンヌ映画祭に圧力がかかったとか。(新藤兼人Wikipediaによる) 99歳まで現役でいることの偉大さ、その多作さを支えるエネルギーはすさまじいです。なによりも社会的な題材で映画をとり続けられたことがことさら素晴らしいと感じます。一方で娯楽作品も沢山作っていらっしゃいます。新藤兼人監督作品、むらむら~と観たくなってきました。
今日は残念ながら授賞式にはいらっしゃれなかったのですが、代わりにいらした息子さんの新藤次郎さんとお会いできました。

2012年4月5日木曜日

春の嵐が運ぶもの

宮沢賢治の「風の又三郎」では三郎は9月にドッドッという風と共にやってくる。9月だから台風だったのだろう。先日のものすごい嵐は春一番だったのかな。季節の変わり目にはなぜか風が吹く。「疾風・怒涛」はドイツ語で「シュトルム・ウント・ドランク」と言って1700年代後半に起きた文学の革新運動を表している。その代表作は「若きウェルテルの悩み」。作者ゲーテは主人公を最後に自殺させているが、自殺は「神」が厳重に禁じていたものであり、ウェルテルを自殺させたのはゲーテにとって当時の「社会的規範」への果敢な挑戦だった。
今、私たちが直面している大問題ー「東京電力福島原発事故」への様々な対応をみているとこの「社会的規範」というものがいかに人々の精神を縛り、拘束しているものか、実感する。
同調性・協調性・社会性 という日常時には美徳として捉えられるあり方が実は一方で落とし穴となっている。
戦争をしなければいけない、戦争は勝ち続けていると政府が言えば、戦争に反対するのは非国民と普通の人たちが一体となって戦争を遂行した。
原発は安全。事故は起きないから想定しない。経済成長に原発は不可欠、CO2も出さないからクリーン。日本は資源がないからこれしかない。日本人は国・電力会社・メディアがいう事をそのまま受け入れて原発を容認してきた。
そして、今。放出された大量の放射性物質に関して、国や電力会社、メディアが言っていることを信用し、違う意見を言う人々を弾圧し、疎外しようとしている。また、落とし穴にはまるのか?また同じ事を繰り返すのか?

その根底にあるものをはっきりと捕まえたいと思う。
そう思いながらも、なかなかもどかしい。
新作「内部被ばくを生き抜く」は一旦完成したのだが修正の必要があって、今日、ナレーションの部分的な取り直しをした。
事態は刻々と変わるけど、まってはいられない。今月28日より公開だ!



4/28〜渋谷UPLINK『内部被ばくを生き抜く』新作DVD発売記念上映
詳細 http://www.uplink.co.jp/factory/log/004405.php